「ドラッグストアや薬局で売っているメンズ化粧品と、ネット通販で売っているメンズ化粧品はなにが違うの?」
「市販のメンズコスメは1,000円以下で買えるのに、ネット通販のメンズ化粧品はなんで高いの?」
メンズコスメを探していて、こんな疑問を持ったことはありませんか?
筆者の僕も以前はこのように疑問に思っていましたが、化粧品製造メーカーで勤務してみてその謎が解けました。
そこで今回は、市販と通販のメンズコスメの違いについて解説します。
ぜひ最後まで読んで、今使っている、もしくは買おうとしているメンズ洗顔料や化粧水を見直してみてくださいね。
目次
【メンズコスメ】市販と通販の違いは価格だけじゃない?
市販(ドラッグストアや店舗)と通販(主にネット)のメンズコスメはなにが違うか、一番わかりやすいのは価格です。
でも、単純に価格だけで判断するのは危険です。
実はその裏にはいろいろな大人の事情(笑)があります。
それは次の5つです。
- 販売会社の規模と安心感
- 販路
- 価格構造
- 成分配合量
- 保存料・防腐剤
順番に解説していきますね。
①販売会社の規模と安心感の違い
まずわかりやすいものとして、販売会社の規模の違いがあります。
市販されているものは、有名なブランドだとニベア、ルシード(マンダム)、ギャツビー(マンダム)、UNO(資生堂)、ビオレ(花王)などがありますよね。
こういった大手企業は資本力が大きく、広告費のかかるテレビCMを流すことができます。テレビCMを流すことで、ブランドの認知度を高め、市場においてシェアを獲得することが可能となります。
それに対し、中小企業や新規参入企業はテレビCMを流すほどの広告費をかけることが難しいです。そこで、比較的広告費が安く済むネット広告を利用したり、SNSを利用したマーケティングをとることになります。その分、認知度はそれほど高まりません。
また、ネット通販の場合は、中小企業ならまだしも個人で販売しているケースもあり、その企業はメンズコスメについての知見があるのか怪しいケースもあります。
ですから、そのような怪しいものを掴まされないように注意する必要があります。口コミなどをちゃんとチェックして確認しましょう。
②販路の違い(DtoCなど)
市販のメンズコスメの販路(販売経路)は主にドラッグストア、薬局、東急ハンズ、ロフト、ドン・キホーテなどの実店舗です。
ですが、そういった店舗で販売するためには卸業者を通さなければならないのが実情で、そのため卸業者や販売店へのお金(手数料)が発生します。
つまり、中抜きされるお金を上乗せして販売価格を設定しています。
(それにもかかわらず安い理由は④で説明します)
それに対し、ネット通販などはダイレクトマーケティングと言われ、最近だと「DtoC(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)と呼ばれます。これは、卸業者や店舗などを介さず、企業が直接消費者に販売をする手法です。
それによって、手数料が不要となるため、自社の利益分だけを考えて価格設定をすることが可能です。
③価格構造の違い
メンズコスメの価格構造をざっくり説明すると、原材料費、容器代、広告費、利益の4つで構成されています。市販のメンズ化粧品の場合、これに卸業者や店舗への手数料が加わります。
また、市販のメンズコスメの場合、先に説明したようなテレビCMや雑誌広告などの広告費が大きくなります。(とはいえ、大量に販売できる規模感=スケールメリットがあるので、1商品に対する割合は少ないですが)
そう考えると、300円とか1,000円以下で販売している市販のメンズコスメの場合、原材料費がかなりおさえられているということがわかります。
④成分配合量の違い
メンズコスメの裏面やパッケージを見ると、配合成分がぎっしり書かれていますよね。これは、化粧品の場合、全成分を配合量の多い順で明記しなければいけない義務があるからです。(※医薬部外品の場合はルールがやや異なります)
そして、これはほんのわずかな微量の場合でも記載します。ですが、配合量や割合については記載する必要がありません。
例えば、保湿成分で有名なセラミド。
セラミドは高価な原材料の一つです。
セラミド配合なのに数百円で販売できる、ということは、ごくごく微量しか配合されておらず、名前で期待するほどの効果は期待できない、という話になります。
市販のメンズコスメの場合は原材料費にあまり費用をかけられないので、良い成分が配合されていてもあまり効果は期待できないでしょう。
⑤保存料・防腐剤などの違い
市販のメンズコスメの場合、店舗で大量に扱うということから、なにかトラブルがあったときの回収騒ぎなども大変なことになります。
そのため、絶対にそういうことがないように、必要以上に保存料や防腐剤が配合されているケースが多いです。
そのため、市販のメンズコスメは「低刺激」といいつつも、刺激がそれなりにあるものもあるので注意する必要があります。
とはいえ、通販のメンズコスメの安全性が低いということではなく、市販のメンズコスメが必要以上の保存料・防腐剤が加えられているケースがある、ということです。
【市販のメンズコスメ】メリット・デメリット
市販のメンズコスメのメリット
- 価格が安い
- 店舗があればどこでも購入できる
- 有名な大手ブランドの商品が多く、心理的安心感がある
市販のメンズコスメのデメリット
- 原材料費が安くおさえられているため、効果は低い
- 保存料・防腐剤が必要以上に配合されているケースがある
- 「低刺激」のものでも刺激が強い場合がある
市販のメンズコスメをおすすめできる人
- 肌の悩みがそれほど深くなく、肌トラブルの少ない人
- スキンケアにお金をかけられない人
市販のメンズコスメをおすすめできない人
- 肌の悩みが深い人(ニキビ・乾燥肌・オイリー肌など)
- 肌に刺激の強いものを使いたくない人
- 多少費用をかけても良いものを使いたい人
【通販のメンズコスメ】メリット・デメリット
通販のメンズコスメのメリット
- 広告費や業者への手数料がなく、原材料に費用をかけられている。そのため、成分や配合量が多く、効果が高い
- 店舗がなくても自宅で注文・受け取りができる
通販のメンズコスメのデメリット
- 市販の化粧品に比べて価格が高い
- 認知度が低いので心理的安心感は市販のメンズコスメに劣る
- なかにはいい加減な商品もあるので、口コミなどで見極める必要がある
通販のメンズコスメをおすすめできる人
- 現在肌や髪などに悩みを抱えている方
- 市販のメンズコスメでは満足する効果が得られていない人
- 少しでも肌・髪などに良いものを使いたい方
通販のメンズコスメをおすすめできない人
- スキンケアにお金をかけたくない人
- ネットでの購入に不安がある人
- テレビCMなどで知名度があるメンズコスメしか使いたくない人
市販と通販のメンズコスメ「3つの誤解」
市販と通販のメンズコスメに関して、多くの男性が抱いている「3つの誤解」について解説していきます。
誤解①:TVのCMで流れているメンズコスメは信頼できる
認知度と信頼性は全く関係ありません。
例えば、大手車メーカーが軒並み評価結果を改ざんしてリコール騒ぎになったのは記憶にあたらしいですよね。
また、30代以上の方は記憶にあるかと思いますが、某英会話スクールが経営破綻したときも、直前までテレビCMをバンバン流して新規受講生を募集していました。なお、英会話業界では最大手のスクールでした。
認知度が高いからと言って、絶対に安心だとは限りません。
言ってしまえば、認知度は広告費で決まると言ってもいいでしょう。
認知度だけに踊らされず、「本当に良い商品なのか」を見極めることが必要です。
これはもちろん、市販のメンズコスメに限ったことではなく、通販のメンズコスメについても同じです。
誤解②:通販のメンズコスメは「ぼったくり」
通販のメンズコスメは、市販商品に比べて価格が高いので「ぼったくってる」と思われてしまうことがあります。
ですが、元化粧品メーカー社員からすると、そんなことはありません。
確かに、市販のメンズコスメと同じくらいの原材料費で作ることができれば、ぼったくることが可能かもしれません笑
でも、市販化粧品の場合は大企業のスケールメリット(一度に大量に買える)があるため、原材料費をそもそも安く済ませることができます。さらに良い成分を微量にすることにより、原材料費をおさえています。
ですから、大企業以外が同じ処方(レシピ)で作ろうとしても高くなってしまいます。
そして、きちんと肌・髪に効果のあるものを作ろうとすると、当然原材料費は高くなります。
ですから、けっして「ぼったくっている」わけではありません。
※中にはそういった商品がある場合もあるので、ひっかからないように注意しましょう。
ちなみに、化粧品メーカーに勤務していた際に、本当に良いものを作ろうと開発していたとある商品の原価が、市販商品の売価を余裕で上回ってしまったことがあります。
誤解③:価格が高い方が「良いメンズコスメ」
「価格が高いということは良いメンズコスメだ」という認識も間違いです。
市販の化粧品にもいいものはありますし、逆に通販の化粧品にも良くないものはあります。
大事なのは、
- 商品をきちんと見極めること
- 自分の肌に合っているかどうか
です。
そのために参考になるのは口コミや評判ですが、最終的には一度使ってみないと自分の肌・髪に合っているかわからない、というのも事実です。
ですから、全額返金保証の制度がある商品だと一番理想です。
化粧品メーカーに勤務してわかったこと
ちなみに、筆者の僕は通販推奨派です。
以前は市販のメンズコスメを使っていましたが、化粧品メーカーに勤務するようになってからは、もう市販のものを使わなくなりました。
理由は、
- 使い比べて、明らかに効果の違いを実感した
- 価格構造を知って、市販のメンズコスメに対する安心感が不安に変わった
という2点。
もちろん、市販のメンズコスメの中にも、コスパを考えると良いものもあります。ですが、良いものを見つける方が難しいというのが正直なところです。
逆に、ネット通販のものは価格が高いぶん、ハズレが少ないと感じます。ちゃんと口コミを見て、ネット上での評判がいいものを探せば、ほぼハズレがないです。
まとめ:知名度と信頼性は無関係!本当にいいメンズコスメを見極めよう!
いかがでしたか。
市販と通販のメンズコスメの違いについてイメージが変わったのではないでしょうか。
僕は通販推進派ですが、手放しで通販のメンズコスメを勧めるわけではありません。
通販のメンズコスメには怪しいものもありますし、市販のメンズコスメにも良いものはあります。
大事なのは、きちんと見極めることです。
通販の場合、できれば販売会社についても調べてみるとハズレる確率は減ります。
良くない商品・販売会社には悪い口コミなど、よくない評判があるものです。
知名度や広告に踊らされず、本当にいいメンズコスメを使ってくださいね。